昆布のこと

昆布は、日本人にとってとても馴染み深い食材です。
しかし近年では、食文化の変化に伴い昆布を食べる機会も少なくなったのではないでしょうか?
大阪昆布フジイは、昆布の魅力を発信することで皆様の暮らしと食の豊かさに貢献したいと考えています。

昆布の魅力

昆布は、「養老昆布(よろこぶ)」の語呂合わせから喜びや幸せを運んでくれる縁起物として昔から食べられてきました。

また、昆布に豊富に含まれているうま味成分「グルタミン酸」は、食材の味を引きたて、お料理をぐんと美味しくしてくれます。

近年では、カラダに良いさまざまな成分が含まれている健康食材、スーパーフードとしても注目を浴びています。

そんな魅力あふれる食材「昆布」を、普段の暮らしに取り入れてみてはいかがですか?

昆布の成分

グルタミン酸

昆布に含まれるアミノ酸「グルタミン酸」はうま味成分。昆布のだしを使うことでおいしく減塩をすることができます。

ビタミン

海で育った昆布には、ビタミンA・B1・B2・Cなどの「マリンビタミン」と言われる海由来のビタミンがぎゅっとつまっています。

ミネラル

海の薬草とも言われる昆布には、カリウム・ナトリウム・カルシウム・マグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれています。

水溶性食物繊維

昆布全体の30%近くは水溶性食物繊維。アルギン酸・フコイダンといった水溶性食物繊維が腸内環境を整え、すっきり快調にしてくれます。

必須脂肪酸

脳の活性化で注目されている必須脂肪酸。昆布にはドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸などの必須脂肪酸が多く含まれています。

フコキサンチン

昆布の褐色はフコキサンチンという色素に由来。この色素には、脂肪燃焼作用や抗酸化作用があることが近年研究で明らかになっています。

昆布ができるまで

採取

日本の昆布の9割は北海道産です。

昆布漁の季節である夏になると、北の海の漁師たちは日の出とともに2人乗りの小さい舟で出漁します。昆布漁特有の棹を使って海中の昆布を1枚ずつ丁寧に舟に揚げます。

海岸に打ちよせられた昆布は、船を使わず海へ入り収穫します。

乾燥

昆布の味が決まると言われる乾燥作業。

水揚げした昆布を小石を敷き詰めた「干場」で1枚1枚広げて干します。湿気が移らないよう常に天気を確認しながら、昆布が石に貼りつかないよう移動させたり裏返したりしながら、手間暇をかけて天日干しをします。

産地によっては、乾燥室で昆布を吊るし乾燥させることもあります。

仕立

干し上がった昆布は、不揃いの部分や昆布の耳(赤葉)部分をカットしきれいに形を整えます。

規格ごとに仕分けて結束した後、等級検査を受け昆布の幅や厚さ、色などで1〜6等級に格付けされます。

その後、各産地から卸会社へ出荷されます。

昆布の種類をご紹介

真昆布 【特徴】褐色で肉が厚く幅が広い。昆布の最高級品。切り口で「白口」と「黒口」がある。
【味】非常に上品な甘味をもち、味の面でも昆布の王者。
【主な用途】高級出汁(上品な甘味とコク、まろやかな澄んだ出汁)
羅臼(らうす)
昆布
【特徴】茶褐色で羅臼オニコンブの別称があり、真昆布と同格扱いされる。
【味】真昆布に勝るとも劣らない。味の評価が高い。
【主な用途】高級出汁(薄い黄色、濃厚な風味で香り高く、甘味がある出汁)おやつ昆布
利尻昆布 【特徴】黒褐色で真昆布より固い感じがするが、真昆布に次ぐ高級品。
【味】アイヌ語でルルサシ、ルルキナ(出汁のでる)と言われるほどの味。
【主な用途】高級出汁(薄い塩味の澄んだ出汁)
日高昆布
・三石昆布
【特徴】緑に黒味がかった色で、早く煮えるため煮物にピッタリ。
【味】利尻昆布より甘味は薄いが、一般的な味が親しまれる。
【主な用途】煮て食べる・出汁をとるの両用(出汁・昆布巻き・佃煮・おでん)
長昆布 【特徴】色は灰色を帯びた黒色。厚葉昆布も中間。出汁には向かないが、煮ると柔らかくなる。
【味】甘味は薄いが、肉厚の物は味も良く、三石昆布を代用する。
【主な用途】煮て食べる(昆布巻き・佃煮・おでん)
がごめ昆布 【特徴】黒色で肉厚、表面がでこぼこしている。
【味】甘味が強く、最もとろろ分がある。
【主な用途】松前漬
細目昆布 【特徴】1年生の昆布で、幅が狭く、切り口が白い。粘りが強い。
【味】若干の甘みがある。
【主な用途】とろろ昆布、きざみ昆布

昆布が成した明治維新

昆布ロード 昆布は松前から薩摩、そして清へ

実は、昆布は明治維新と関係のある由緒深い食材なのです。

江戸時代から明治時代にかけて、大量の荷物を積んで日本海を往来していた北前船。
北海道産のにしんや昆布が大量に流通していました。

当時、多くの寄港地を有していた富山県域。
富山藩の商人と薩摩藩が手を組み、昆布はさらに日本の南である鹿児島へ流通されるようになります。

では、その昆布はどのように使われていたのか・・・。

当時莫大な借金を抱えていた島津家を藩主とする薩摩藩。
財政立て直しの担当に抜擢されていた調所広郷は、中国(かつての清)で甲状腺疾患が流行っており、
ヨードを多く含む昆布が予防に効果的で中国国内では重宝されていたことに目をつけます。
薩摩藩は、富山藩の商人へ北海道産昆布の買い付けを依頼し、
大量の昆布を琉球口貿易を通して中国へ送り込むことで多大な利益を得ることに成功しました。

その潤った資金で借金を返済し、さらには軍備・産業を増強し大きな力を得た薩摩藩。
結果、江戸幕府を討幕し、明治維新を牽引することができたと言われています。

昆布は薩摩藩の財政立て直しの力となり、明治維新へ貢献した歴史ある食材なのです。

【参考文献】

  • 「海の掛け橋 昆布ロードと越中」(北日本新聞社)
  • 機関誌 水の文化 54号「和船が運んだ文化」
    (ミツカン 水の文化センター)

昆布レシピのご紹介

出汁や煮物としてのイメージが強い昆布ですが、実はさまざまなお料理に使える万能食材!

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